望みの館
おや、こんな夜更けにお客様とは。
どうやら余程のご事情がおありのようで。
いえいえ、私は怪しい者ではございません。
この『 』の館をただ預かる者、呼びたければただ「管理人」とお呼びいただければ。
ここは強い望みを持つ方のみが訪れることのできる場所、お客様もさぞかし強い望みをお持ちのようで。
……ほほう、「そんな望みなどない」と申し上げますか。
ご謙遜を、貴方の胸の内に宿るその炎、偽物とは言わせません。
どうぞ中に入り、存分にその胸の内を、貴方の望みをお口になさってください。
貴方のその願い、悪いようには致しませんので――。
これが噂に聞いたあの館か。
強い願いを持つ者のみが辿り着けるという『 』の館、噂は本当か確かめてやろうじゃないか。
俺の望みは「 」。
こんな望みでも現れるとは笑わせる。
この館はただ強い願いにのみ反応するというだけだ。
その願いがどのようなものでも、たとえ館自身に害をなすものであろうとも。
なんだ? 何をしようとする?
嘘だ、「悪いようにはしない」というのは真っ赤な嘘だ。
お前は、