M.G.S.2−SONS OF LIBERTY−

プリスキンとの出会い

 AB連絡橋をエルードで通過し、雷電はB脚変電室に到着した。
 が、一歩踏みこむとそこは血の海。
 鋭利な刃物で斬られ、息絶えたSEAL10アルファ・チームの遺体が転がっている。
 ・・・と、突然、変電室の中から銃声が響き渡った。
 その直後、その銃声は断末魔の叫びに変わり、変電室に静けさが訪れる。
 M9を構え、変電室に侵入する雷電。
 そこで彼が見たものは、これが現実なのかと疑いたくなるような光景だった。

 SEALSの隊員を壁に押さえつけ、その首筋から血を啜る一人の男。
 その吸血鬼は雷電の存在に気付いたのか、突然振り返り、雷電に威嚇するような声を上げる。
「お前は?!」
 M9を構え、問いかける雷電。
 だが吸血鬼は何も言わずに空中高く舞いあがった。
 瞬く間に天井まで飛びあがり、雷電の後ろに着地する吸血鬼。
 雷電をも自分の餌食にしようと手を伸ばしたその時、変電室のもう1つの扉が開いた。
「伏せろッ!」
 同時に、響き渡る銃声。
 雷電の後ろに立っていた吸血鬼の姿が、忽然と消える。
「どこだッ!」
 M4を構え、変電室に足を踏み入れる1人のSEALS隊員。
 その彼の隙をうかがうかのように梁の上に身を潜める吸血鬼。
 SEALS隊員の一瞬の隙をつき、吸血鬼はナイフを振りかざした。
 左腕に傷を負い、M4を落とすSEALS隊員。
 咄嗟に雷電はそれを拾い上げ、吸血鬼に向かって銃口を向けた。
 頭を掴み、SEALS隊員を壁に叩きつける吸血鬼。
「・・・お前、変わった匂いがするな。この匂い・・・まさかっ!」
 驚愕の声と共に手を離す吸血鬼。
「何をしている、撃てッ!」
 苦しげにうめきながらも叫ぶSEALS隊員。
 M4の引き金を引く雷電。
 だが、雷電が撃った弾は悉く吸血鬼が手にしたナイフによって弾かれる。
 南無三、と覚悟を決めたその時、吸血鬼の腰の無線機から女の声が流れた。
<ヴァンプ、>
「姉御」
<後始末は済んだの?>
「ああ、それよりも面白いものを見つけた」
<何?>
「会って話す。今どこに?」
<シェル1中央棟。大統領も一緒よ>
「わかった、すぐに行く」
 ヴァンプと呼ばれた吸血鬼と、無線の主との会話の隙を狙ったかのように、SEALS隊員が雷電に向かって弾倉を滑らせてくる。
 それを拾い、雷電は即座にリロードを行い、吸血鬼に銃口を向けた。
 だが、その時はすでに吸血鬼の姿は無い。
 変電室に、ぞっとするような静けさが戻ってくる。

 体を起こしたSEALS隊員に向け、雷電が彼のM4の銃口を向ける。
「待て!俺は敵じゃない、落ちつけ」
 今にも引き金を引きそうな勢いの雷電を声で制し、彼が変電機を囲む金網に背を凭せ掛ける。
「俺は、俺は―――プリスキン。イロコィ・プリスキン・・・中尉」
 そう言い、SEALS隊員―――プリスキンはスカルキャップを外す。
 その下から覗く、鋭い光を帯びた碧の瞳が雷電を捉える。
「SEAL?どこから?」
「ヘリからの高速ロープ降下」
 そう答えるプリスキンの足元を走った一匹のフナムシを、雷電は見逃さなかった。
「以前に会ったことは?」
「その兵装、FOXHOUNDか?」
「・・・そうだ」
「FOXHOUNDは解体されたはずだ。
 お前、FOXHOUNDの前は?デルタフォースか?」
「いや、フォース21に所属していた」
 そこから、VR訓練についてほんの少し、雷電とプリスキンは対立する。
 VR訓練が最強の戦士を育て上げるための、いわばマインド・コントロールの一種だと主張するプリスキンに雷電は戸惑いを隠せない。
 だが、その口論も大佐からの無線によって中断されることになった。
 大佐と無線で連絡をかわす雷電。
 その様子を見たプリスキンが一言、
「ナノマシン経由による体内通信か・・・」
 と、呟いた。

 ・・・長い、長すぎる・・・でも、このシーン(と、このイベントが終わるまでの全シーン)は書きたかった。
 ソーコム手渡されるシーンまで書いたらこっちまで書きたくなくなるから書かなかったけど・・・次で書こうかな。うふふふふ。
 しかし、このシーン、かなりの矛盾が。

  1:別に変電室には入らなくても移動できたのになんで雷電は自ら棺桶厄介事に足を突っ込んだのか
  2:なんでヴァンプは他のSEALS隊員を殺ったように気付かれる前にナイフを投げなかったのか
  3:ID登録されていてプリスキン以外撃てない筈のM4をどうして雷電が撃てたのか
  4:FOXHOUNDから離れて久しいプリ中なのになんで雷電がFOXHOUNDだと分かったのか
     ↑スカルスーツで分かったみたいだけど、プリ中、スカルスーツの存在知ってたの?

 ・・・言ってしまえば元も子もない矛盾ばかりだけど、とくに3の撃てない筈のM4が撃てたのは問題。
 もしかしてプリ中、まだ登録してなかったのか?とも取れるけど、登録しなければ撃てない筈では?
 それとも、似非SEALS隊員だからID登録機能なんて取り付けてないとか?
 はぅ・・・しかしプリ中、登場シーンが良すぎ。
 名乗ってるシーン、スカルキャップを外すシーンなんかなかなかオツでスな。
 しかし、SEALSに化けるなら袖は捲くっちゃいかんだろ。
 ・・・で、ある日新事実発見!

 プリ中が名乗るあのシーン。
 「俺は、俺は―――」のあのシーンです。
 とある筋から、

  「俺は・・・俺は―――プリスキン。イロコィ・プリスキン・・・中尉」

 ・・・と、うっかり「スネーク」と口走りかけた模様だという情報をゲット。
 確認してみたところ、確かに『ス』だか『ソ』だか言いかけてる気が。
 つまり、

  「俺はソリッド・スネークだ」

 と名乗ろうとして、よく考えたら今回のテロの首謀者もソリッド名乗ってるし、2年前タンカー沈めたのも俺だということになってるし、うっかりスネークだなんて名乗ったらやばいだろうなぁ・・・なんて通常の数倍の速さで脳味噌を回転させて思ったんでしょうね。
 で、イロコィ・プリスキンと。
 しかし、プリスキンが即座に出たと言うことはもしかして・・・
 スネークの本名て、

  ディヴィッド・プリスキン

 とか?(まさか・・・ね)
 いやだって、前作でスネークの本名がディヴィッドだっていうのは明らかになったけど、ファミリーネームは結局分からずじまいだったし。
 ・・・なんて考えると、本名名乗っていいのか?!と突っ込みたくなるけど、まぁこの際よしとしておきましょう。ね?プリスキン中尉☆←ぉい・・・
 ・・・ってゆーか、こんなところでバラしちゃった・・・(汗)
 ま、いいか・・・
 どうせ前作経験者ならこのシーン(というかプリ中が「伏せろ!」と叫んだときに気付き、名乗りをあげた際に確信してる訳だし)でプリスキン=スネークだって分かってるはずだし・・・

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(この背景、パッケージやらマニュアルやら見ながら自分で再現しました)