M.G.S.2−SONS OF LIBERTY−

結局MGS2って・・・

 なんか、前作を雷電で再現した、って感じでしたね(事実再現だった)
 デジタルによる情報の統制、そして人類の支配が「愛国者達」の目的だったような。
 なんか、本編中では「デジタルで永久保存されるべき情報のみを残し、人類の進化を妨げないようにする」とか言ってたけど、そんなことは無いなと思ったのが俺の感想で。
 逆に、デジタルの情報を統制、人々の趣向なども全て同じようなものにして人類全てが同じように考え、行動し、統一されていくんじゃないかなって。
 雷電はその実験の為に作り出された存在で、ソリダスはその情報統制を実行させないようにするために戦っていたんじゃないかな。
 ・・・そう考えると、ソリダスが行ってきたことは過激ではあったけど正しかったような気もする。
 人間がどうあるべきかは、それぞれの人間が考えることで、他人に制限されることは無い。
 ソリダスはその点を分かっていてテロを起こし、ある意味人類を救おうとしたのかもしれない。
 確かにソリダス(だけではなく「恐るべき子供達計画」で作り出されたソリッド、リキッドも当てはまる)は次の世代に己の遺伝子を伝える術を持たない。次の世代に伝えるものが無いから、「伝説(歴史)」に名を残すことでそれを自分の子供だと考えようとしていた。
 最終的にソリダスの計画はオセロットと雷電、スネークによって阻止され、「愛国者達」は演習を成功させた。情報統制は実行されるだろうし、それによって人類が一律化する恐れも出てきた。

 でも、よく考えると今回は色々な人間の思惑が重なっていたような。

  ソリダス:歴史に名を残すためにその障害となる「愛国者達」を葬ろうとした
  雷電:「愛国者達」に利用され、演習を成功させた
  スネーク:メタルギアを破壊するためにビッグシェルに潜入したはずが思いがけない事実に巻き込まれた
  オセロット:結局、雷電が演習を成功するように監視していたんだろうな・・・ソリダスたちを利用して
  フォーチュン:事実を知らずにスネークを父の仇だと思い、戦ってきたけど・・・
  ファットマン:「愛国者達」に雇われた、「演習の監視役」。爆弾魔に成り下がったと言われたけど・・・
  ヴァンプ:こいつの目的は一切不明。スネークとは面識があったみたいだけど全ては海のモズク藻屑・・・
  オルガ:フォーチュン同様、スネークを仇だと思ったのに・・・しかも「愛国者達」に利用されてるし

 「前作とは違って、それぞれが互いを牽制し、利用し、私利私欲の為に動いていた」という意見が出るのも無理無いか。前作以上にテーマは重かったし。
 ・・・いや、テーマの趣旨が変わっただけ・・・か。
 前作は「反核」、「遺伝子」をテーマに扱っていたけど今回は「人間」(一般には「継承」と言われてるけどどっちかというと人間の感情というか、それぞれの思いが強かった)をテーマにしてるような気がしたし。
 「デジタル情報の統制」、「遺伝子では語り伝えることができないもの」をテーマに『継承』、
 「人々の思い、感情」をテーマに『人間』。
 タンカー編で、海兵隊が新型メタルギアを開発したのは海軍のアーセナル計画を考えてのこと・・・というのが表向きの理由だけど実際は海兵隊の機能が問われているために、再び海兵隊の地位を上げようと画策したものってのが本当の理由らしいし。
 プラント編では↑の通りだし。
 結構、今回のテーマは重すぎてMGSには合わないって言う意見があるけど、俺は逆に今回のテーマはこれで良かったと思ってる。
 と、いうのもゲームはリアルさを増し、そのために人を殺すと言う行為が当たり前に行える子供が増えた(雷電がVRでしか訓練を受けていないと言った事で揶揄)、また、デジタルの情報統制は情報が氾濫し、人間が簡単に情報に支配されてしまうと言うことを揶揄したもの、と取れるから。
 そして、大佐が「これはゲームだ、いつものゲームなんだ」と言ったのは現実と仮想の区別がつかない人間(俺も事実そうだけど)に与えた警告じゃないかな、なんて。
 MGSに意味のないことは無い、必ずどこかに意味がある、ってのが俺の心情だから。
 (と、いってもポスターやアヒル隊長やモアイに何の意味があるかといえば多分無い。なんていうか、台詞の一言一言に意味がある、と言うべきかな。壊れた大佐の発言はどうか分からんけど)

 ところで、タンカー編に話を持っていって。
 タンカー編EDでオセロットを支配したりキッドが、
「歳をとったな、スネーク。お前にも急激な老化が始まってきたようだ。
 ナオミがFOXDIEのプログラムを入れなかったのも分かる。
 ・・・親父のクローンであるが故の宿命・・・お前も生きてあと数年。50代後半のビッグボスの体細胞を使ったんだ、生まれながらにして老いている」
 と、(一部オセロットのやり取りを挟みながら)言っていましたね?
 その辺も少々検証して・・・

  死刑宣告されてから2年が経過したということはスネークはプラント編後、1〜2年で死ぬことになる

 ちなみに「死刑宣告」=「生きてあと数年」のリキッドの台詞です。
 大体、「あと数年」は2〜5年位だと思うし。
 そうなると、「MGS3」が出るやの出ないやのという噂が巷では流れてるのに、本当にMGS3が出たら今度こそ本当に完結編になるのでは?と思ってみたり。
 だって、スネークがもう寿命なんでしょ?そうなると、MGS3のEDでスネークが死ぬと言うことも考えられる。考えたくないけど、そうしか考えられない。
 ・・・まぁ、スネークにはこれ以上苦しんでもらいたくないのでMGS3で潔くオセロットと決着つけて死んでもらった方がいいのかもしれないけど・・・
 つーか、俺がシナリオ担当だったらMGS3のシナリオは絶対スネークがラストで死んでる。
 さもなければ、2部構成にして前半でスネークが死んで、後半が雷電(もしくはメリル&オタコン)のストーリーにするなぁ・・・深い意味はないけど、完結させるならそうなるだろう。
 スネークが死ぬなんて、考えたくないけど・・・ううむ。
 でも、確かに体細胞からのクローンの寿命は短いです(クローンに成功したヤギの寿命がかなり短かったのは知ってる)。別に50代後半の体細胞だったからといってそんなに影響が出るとは思わないけど、それでも平均の半分くらいの寿命しかないと思うし。
 液体も固相線も消え、残るは固体のみ。
 「恐るべき子供達計画」で、8人のうち6人が殺されたとか言いながら3人いた訳だから4人目の可能性も考えていいのだろうけど、それでも全滅・・・かな。
 ・・・とか、考えてみてふと気付いたこと。
 ソリダスは均整の取れた完全体、リキッドは自分が劣勢だと思っていたが実際は優性遺伝子を引き継いでいた、と、なるとソリッドが劣勢遺伝子を引き継ぐ訳だから本当はソリッドが間引かれる運命にあったのではないのかな、とか。でも何らかの偶然か、それとも実際に間引かれたのに生き延びたのか・・・
 まぁ、知らない人はあまりいないと思うけど、優勢、劣勢について。
 メンデルの遺伝の法則で、発現しやすい形質を優勢、発現しにくいほうを劣勢と言います。
 人間で言うなら、血液型がO型の人間は必ずOOになるというところ。
 人間の血液型は、

  A、B、AB、O

 の、4種で普段言われるけど、もう少し細かく分類するなら、

  AA、AO、BB、BO、AB、OO

 の、6種。
 父親がA型、母親がB型だったら、子供の血液型は

  AO、BO、AB、OO

 のどれかになるって事(両親の血液型が細かく分かってたらもうちょい絞れるけどね)。
 両親ともにB型でもO型の子が生まれることもあるってわけだし。

 ・・・で、この場合、O型が劣勢遺伝してると言うことになる。
 AO、BOと言っても、普段はA型、B型になるし。
 話がかなりそれたけど、スネークが劣勢だと言うならそれは発生率が低い存在だと言うこと。
 そうすると優勢(発現しやすい方)であったリキッドが間引かれてもおかしくなかったか・・・
 いずれにせよ、俺がMGSのシナリオを作ってる訳じゃないから憶測にしか過ぎないけど。

 ・・・遺伝子関係の話になるとついつい熱くなってしまいます。
 大学もこの辺の研究ができるところに行きたかったんだけどね(で、実際はしがない文学部日本文学科)

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(この背景、パッケージやらマニュアルやら見ながら自分で再現しました)